筋肉の話

恥骨筋

恥骨筋のお話

現在は大腿部シリーズを書いている筋肉話です。前回でハムストリングが終わりましたが、ここからの筋肉も長い筋肉が続きます。それに、大腿部ですのでメジャーな筋肉ばかりです。書く立場としてはネタに困らないのでとてもありがたいのですが。今回からは所謂、内転筋群になります。内転筋は太ももの内側にある筋肉の総称です。この内転筋群は骨盤を中心部付近から支え、横方向の安定化を維持する役割を担っています。ただ、安定化を維持するといっても拮抗筋である外転筋群との兼ね合いもあり、お互いが適度なバランスで緊張状態を保つことにより成り立ちます。どちらかが強くても、弱くてもダメです。その他、女性の方は妊娠から出産にかけて内転筋群の働きが関わってきます。というのも、出産に向けて骨盤の底が広がってくるためです。この骨盤の底は内転筋群が付着する場所もありますので、互いに影響しあっています。

恥骨筋の位置

内転筋群の最初の筋肉は、恥骨筋です。恥骨筋は内転筋群の中では最も上にある筋肉です。スタートは恥骨櫛【内股の付け根辺り】で、上は腸腰筋、下は短・長内転筋に挟まれてスタートします。その後は大腿骨【太ももの骨】の上部、恥骨筋線に付着します。内転筋群の一番上にあるだけあって短めの筋肉になっています。この恥骨筋がスタートする辺りは、障害が発生しやすい場所でもあります。鼠蹊部ヘルニアや恥骨結合炎などの障害があります。特にサッカー選手は、インサイドキックを多用することが多いため、この辺りを痛めやすい競技です。

恥骨筋の働き

恥骨筋は内転筋群の1つであるため働きとしては内転ということになるのですが、比率としては長内転筋などと比べると低いです。内転作用の補助で働くイメージでしょうか。その他の働きとしては、股関節の屈曲や内旋の時にも恥骨筋は作用します。この恥骨筋は固くなり過ぎると、骨盤を前下方に引っ張り過ぎてしまうこともあります。拮抗する筋肉としては、腹直筋や殿筋群がありますが、これらの筋肉が弱くなってしまった時でも相対的に内転筋群もしくは恥骨筋の力が強くなってしまうこともあります。それ以外にも、股関節外転筋と共に骨盤の左右の安定化に貢献しています。歩行時に骨盤が左右にブレてしまう場合は、恥骨筋を含めた内転筋群に問題がある場合があります。

恥骨筋のトレーニング&エクササイズ

恥骨筋は内転筋群ではあるものの、内転時の働きはやや弱いです。ですので恥骨筋を鍛える場合は股関節の屈曲・内旋に内転をプラスするような動きをすることで鍛えることができます。股関節の屈曲は主には腸腰筋の機能ですが、恥骨筋も補助で働きます。そこに内旋、内転を加えると恥骨筋トレーニングになります。動かすイメージとしては仰向けの状態で足を伸ばしたまま反対側の方向に持ち上げていきます。右足の恥骨筋を使う場合はつま先を左肩に近づけるようなイメージで持ち上げていきます。椅子に座りながらでも持ち上げる足と反対の腕につま先を近づけるイメージで行うことができます。よりトレーニング感を出すためには、膝は出来るだけ曲げないように挙げるのが望ましいです。ただし、故障明けや股関節に不安がある場合は無理をすることなく膝を曲げた状態で行っても問題ありません。ご自身の体の状態に合わせて膝を曲げて強度を調整することができます。ガッツリトレーニングをする場合は、つま先に重しを装着しセット回数を設けて行うとよいでしょう。

恥骨筋のストレッチ

恥骨筋を伸ばすには、開脚が最も簡単な方法です。もう少し細かく伸ばすとするならば、伸脚の姿勢から伸ばしている脚を後ろに持っていくとより恥骨筋を伸ばすことができます。ただしこの姿勢は不安定になりますので、転倒防止として何かに掴まりながら行う方が安全に行うことができます。この方法はあくまでもより伸ばすということですが、床に座っての開脚でも十分伸ばされます。

症状別ガイドへ行く
施術症例を見る

-筋肉の話