腰痛の原因や改善法について
~整体で良くなるの?~
腰痛は肩こりや頭痛と並んで多くの人が抱えている症状です。このページでは、施術を行ううえで、原因や改善方法などを説明していきます。
腰の痛みは遥か昔から、人が二足歩行を始めた時からの悩みだったのではないでしょうか。
これは二本の脚で歩き、生活をするという人類の宿命のような症状です。
今後、無重力で生活をするようになればまた違ってくるのかもしれませんが、少なくとも地球上の1G(重力)で二本の脚を使う生活する限りは腰の負担から逃れることはできません。
さて、肩こりと同じと言っても範囲が広いので人によってはお尻から股関節付近まで範囲は様々です。
そして発症してからの期間の長さによって施術内容も少し違います。
- 急性期:1ヶ月以内
- 亜急性期:1ヶ月~2か月の期間
- 慢性期:3ヶ月以上
急性期のときは炎症が起きているかの判断をし、アイシングも含めながら慎重に刺激を加えすぎないように施術を行います。
もし炎症が治まっていないときは何をしていても、恐らくじっと動かずにしていても痛いはずですので、最初に施術を行う時はいかに炎症を抑えるかが重要になります。
亜急性期は炎症は収まりつつありますので、再度炎症を起こさないように、しかし慢性症状に移行しないように少しずつ動きを加えることも考慮しながら施術を行います。
慢性期は、施術を受けに来られる方の大部分がここに入ります。
人によっては数十年単位で抱えている方もいらっしゃいます。
慢性腰痛は様々な方法や可能性を考えて施術を行わなければいけませんので、人によって方法は変わります。
そしてもう一つ。施術を行う時に考えなければいけないことがあります。
先ほどは期間で分けました。もう一つ分けなければいけないのは、特異的か非特異的かです。
特異的腰痛
原因が分かっている腰痛。疾患の名前が付けられる場合です。
非特異腰痛
原因がはっきりしない腰痛です。
一説では脳の働きに差が出る事により、腰に痛みがあると感じてしまうケースです。
ただ、今のところはっきりとした原因は不明です。
そして、厚生労働省のデータによると8割以上の人が上で挙げた非特異的であるというデータもあります。
オリア施術院で施術を行う時は、特異的、非特異的関わらず施術を受けていただけます。
ただ、圧迫骨折や腫瘍、感染症等の場合は専門機関を受診してください。
整体でどのように改善させていくのか?
非特異的の項目でも記しましたが、8割以上の人が原因がはっきりしない腰痛です。
実際に来られる方で多いのですが、整形外科に最初は行ったけど以上は無いと言われた。
だけれども、症状はある。という方です。
こういったときはどのように施術をして改善させればいいのか。
何回も言うように非特異的の原因が不明なものをこうすれば治ると断言することはできません。
ただ、人の身体の構造や一人一人の身体の癖や習慣を詳しく聴き、検査していくとみえてくるものや考えられる可能性などを挙げることはできます。
姿勢の問題
図は、本来の理想的な背骨のあり方です。
背骨は正しい湾曲をして始めて、本来の役割を果たすことができます。
そして、本来の状態であれば、腰に負担が掛かり過ぎるという状態にはなりません。
これが崩れると背中で重さを受け止めるというワンクッションが無くなり、直接頭の重さがかかるようになります。
そうすると、腰に相当な負担がかかり、痛みが出ます。特に座り姿勢が崩れた時に負担が集中します。
下の図の左側のように背筋、特に根元の腰の部分は相当負担が掛かります。
釣り竿をイメージしていただけると分かりやすいかと思うのですが、竿がしなる時に一番負荷が掛かるのは根っこの持ち手の部分です。この図で言うと骨盤と腰です。
この状態で身体を固めてしまうと筋肉は勿論、骨盤と背骨の関節も固まり、可動性が失われます。
可動性が失われた関節を無理に動かすとどうなるのか。
捻挫をして損傷します。
骨盤と腰椎の周りはこのように覆われていますので、普段から適度な柔軟性を保っておかないと、いざ動かした時に損傷します。
ぎっくり腰の原因の一つは靭帯の捻挫です。
ぎっくり腰は大抵、急に動かした時に発症します。
このような状態にならない為には、普段から腰と骨盤は固めないように意識することがとても大切です。施術を行う時はこういった状態になっていないかを確認しながら進めていきます。
姿勢に関連した筋肉のバランス
図は腰の姿勢維持に関連した筋肉の一部です。
先ほど記した頭の位置が変わると、これらの腰の関わる筋肉の張力が変わります。
背中側の筋肉は常に引っ張られる力が加えられ、お腹側の筋肉は縮むことを常に要求されるます。
短時間であればいいのですが、数時間以上同じ状態が続くと筋肉の代謝が落ち、疲労物質が溜まり、血流が低下します。
所謂、コリという状態が作られます。
若年齢の時は筋肉に柔軟性があるのでまだ耐えられますが、年齢を重ねていくと筋肉が伸びなくなり、急激に伸びる力が加えられたとき、筋肉の損傷が起きます。
これもぎっくり腰の一つの原因になります。
筋肉を支える骨格、背骨、骨盤の問題
図のように、骨盤が後ろに倒れこんでしまった状態が長く続くと腰に負担が掛かります。
本来は骨盤を土台として背骨全体を使い頭を支えるのですが、図のようになってしまうと背筋全てを使って引っ張らなければいけません。
このような状態のときは、図の逆順に改善していくのが望ましいです。
4番の骨盤を前に起こし土台を作る➔土台が安定すると背中が楽になる=猫背の修正➔背中の負担が減るため、首と肩の筋肉が過剰に緊張しなくてもよくなる=肩こりの改善。
というように腰痛の項目なのに、最終的に肩こりの改善となってしまいましたが、施術をしながら体の繋がりを観ていくと、このように関連していることが多いです。
ただ、ここで4番目の骨盤を起こす時に骨盤と腰椎の関節が固まっているとそもそも骨盤を起こすことが出来ません。そういったことも踏まえて施術を行っていきます。
このときに施術で必要なのが、一般的に言われる骨盤矯正と呼ばれる方法になってきます。
関節に柔軟性があれば、すんなりと骨盤を起こして頭を支える土台を作ることが可能ですが、関節の動きに制限があるときは施術を行いそれを取り除いていく事が腰痛改善を始めていくとき最初に必要になります。
関節を繋ぐ靭帯の問題
腰と骨盤はお互いに多くの靭帯で補強されています。
図を見ていただけると分かりやすいかと思いますが、白く覆われているのは全て靭帯です。
そして、ここを損傷してしまうとぎっくり腰になってしまいます。
特に損傷しやすいのが赤丸で示した部分であると言われています。
腰と骨盤だけに限らず、靭帯を一度損傷してしまうと再生しにくいと言われています。
プロスポーツ選手のようにPRP療法を行うという方法もありますが、それには画像検査をして損傷部位を精密に特定し、自己の血小板を採取して行うため手順が掛かってしまいます。
そして、病院によって微妙な違いはありますが、一度の注射で数万円程の費用が掛かります。
それでも再生が間に合わない場合は手術という選択になります。
ただ、これは極一部のアスリートの人の話です。通常はほとんどが保存療法を行います。
炎症が治まった段階で再生を促す施術を行うことにより、修復度合いは違ってきます。
オリア施術院では筋膜リリースの方法を応用しながら状態に応じて靭帯の修復を促す施術を行います。
脳と神経伝達の問題。検査では問題がないが、脳が痛いと思い込んでいる
腰痛や他の痛みだけに限らず、体の感覚情報は最初に視床に集められます。
そして、ここが活性化してその他の脳の部位に情報を送り、脳の他の部位が活性化するというのが通常の働きです。
ところが、非特異的腰痛の場合はこの視床に情報は入るのですが、視床は活性化されずに前頭葉の一部のみが活性化される。というのが脳の誤認説です。
では何故視床が活性化されないのか。
少し話がそれてしまいますが、視床は間脳と呼ばれる括りの一部分です。
この間脳には視床、視床上部、視床下部、視床後部、脳下垂体と呼ばれる場所があり、感覚や自律神経・ホルモンの働きを調整しているのですが、過度のストレスを受け続けたりした時にこの間脳の働きが低下してしまいます。
結果、自律神経失調症になってしまったり、ドーパミンと呼ばれる脳内の神経伝達物質の異常が起きてしまい、統合失調症になってしまいます。
これらは、感情と痛みに密接に関わる症状です。
このようなときは、筋肉や関節、姿勢等々の調整も大事ですが、それよりもストレスを溜めない生活習慣の見直しや心の在り方の改善を優先させた方が良いでしょう。
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過去の古傷や疾患
これは外見上は治っていても、細胞レベルで考えると傷ができていたりします
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精神的な問題
特にストレスが過剰にかかっている場合やトラウマなど
二つ例を挙げましたが、これらのどちらか一つではなく、この二つ、もしくはこれ以外の原因が絡み合って最終的に痛みとして表面化していると考えた方が良いと思います。
ですので、改善していく場合はこれらを一つずつ解きほぐしていく事が必要です。
我々の仕事としてまずは、筋肉と関節、神経バランスを整えるという事なのですが、それ以外の心の部分も同じくらい大事です。
皆様が普段感じていること、仕事や家でのストレスの度合い、様々な人間関係・・・などなど。
心の状態が腰痛を引き起こすことも十分あり得ます。負の感情は自律神経系のバランスを崩し、痛みに繋がります。
そういったことを全て診ていっても直ぐに改善しないくらい腰痛は難しい症状です。
でなければ、世の中にこれほど腰痛関連の情報はあふれないでしょう。
そして。腰痛を治すというよりは腰痛を起こしにくい身体にしていく。
痛みを起こしにくい身体はどういった身体なのかを施術を通してお互いに模索していく。こういった作業が一番大事であり、最も必要なことです。